【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜


「...だといいね」



翼からのメールも結局1度も返せていないまま。

そんな俺が...俺達がいきなり翼の前に現れたらなんて思うだろうか。



それから電車に1時間程揺られ、目的地に着いた。



翼のおばあちゃんの家。



俺と翼の共通の友人から今翼がどこにいるか聞いた時、そこで暮らしてると教えてもらったのだ。

翼のおばあちゃんの家なら、昔1度だけ夏休みを利用して遊びに来たことがあったし最寄り駅からの道のりはなんとなくだが覚えていた。



「「「......」」」



電車では話していたのに、目的地に近づくにつれ口数も減ってく。



「...ここ」



翼のおばあちゃんの家に着いた時、どうしようもなく逃げ出したくなった。

怒ってるんじゃかいか、もう俺達に会いたくないんじゃないかって、翼はそんなやつじゃないのに...どうしても考えてしまう。



「...押すよ」



「「うん...」」



俺は大きく深呼吸をすると、震える指でインターホンを鳴らした。



《はい》



すると直ぐに声がか聞こえてきた。



「あの......須藤...で《もしかして、瑠星...?》」



ドキン、ドキン──



「うん」



俺は強く頷いた。



これから翼に会うと思うと、心臓がますます速くなる。

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