【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
「玲依先輩これはどこに置けば良いですか?」
はぁ…
つくづく自分の情けなさを実感する。
そうこう考えている間も、未菜の声に反応してるんだ。
俺の耳はおかしい…
どんなに雑音に紛れていても、未菜の声が1番に飛び込んでくる。
「じゃあ10分休憩!!」
そんな時の部長のこの言葉は頭を冷やすのにありがたかった。
俺はベンチに腰掛けると、頭からタオルを被せた。
余計なものは見えないように──
「あの…須藤先輩…」
なのに、タイミング悪く話し掛けられた。
声で誰なのかすぐに分かる。