【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
「りゅうせーい!!起きろー!!」
朝からルームメイトの長沢大貴に起こされる日課は、とても爽やかじゃない。
どちらかと言えば地獄に近い。
「んー…」
だから返事だって適当。
「遅刻するぞー」
「…」
「おーーーい」
俺はまだ寝ていたいのに、長沢は俺の布団を剥ぎ取りそれを許さない。
同時に寒さが伝わってくる。
4月だけどまだ外には少し雪が残っているし、北海道の春は寒い。
「…はぁ……」
俺はしぶしぶ制服に着替えを終えると、長沢と一緒に寮を後にした。