【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
そんなバカな話をしながらも練習着に着替え、部室を後すればタイミング良く相川さんがいた。
おまけにボールを運んでいる。
「相川さん!それ俺が運ぶよ!!」
そんな相川さんを見て翼がすかさず声を掛けていた。
でも、相川さんはボールの入ったカゴを渡そうとしなかった。
「なしたの?」
せっかく翼が持つって言ってるんだ。
甘えて渡したら良いのに…
「その…先輩に持たせるなんて出来ないです」
あぁ。そういうことか。
後輩の自分が楽をして、先輩に荷物を持たせるなんて、ってことだよね。
「じゃあ、翼。これ俺らで持ってくべ」
そう言って俺は相川さんの横に置いてあったボールのカゴを乗っけるカートを指差した。
「えっ、それも「みんなで運んだ方が直ぐ練習出来るから気にしないで」」
「そうそう!気にしないで運んじゃお!」