【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜


「ありがとうございます」



さすがにその言葉に納得したのか、笑顔でお礼をされた。

相川さんの笑顔は初めてに等しいぐらい見たことがなく、少し新鮮だ。



「お、おう!」



そして案の定翼は、その笑顔にやられていた。



そんなあからさまに顔を真っ赤にさせてたら…好きってバレるのも時間の問題なような気がする。



それから俺達は荷物を運び終えると、アップをし、練習に励んだ。

今日は翼の気持ちを聞いたため、意識して相川さんを観察してみた。

彼女は1年生ながらに女子の先輩と競うぐらい…もしくは彼女の方が上手だった。



これならきっと全道大会に余裕で行けてしまう。

そう思うほど、彼女は上手だったのだ。

そしてそんな彼女の入部のおかげか、女子部員のやる気はいつにも増していた気がする。



「瑠星乱打するべさー」
(※乱打:ボールの打ち合い)



「今行くー」



こうして俺達も負けじと練習に参加した。

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