【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜


時間が流れるのは早い。

じりじりと蒸し暑く、外では蝉が鳴いている。



教室は本州とかみたいにエアコンが常備されてるわけもなく、窓を開け生温い風邪を浴びるだけ。

おまけに汗でYシャツが肌に貼り付いて気持ち悪い。



北海道は涼しい。

誰がそんなことを言い出したのか。



俺はつまらない授業に飽き、窓の外を眺めくだらないことを考える。

窓の外から見えるテニスコートが俺は好きだった。



誰もいないテニスコート。

そこで練習している姿を想像する。

それが授業中唯一の暇潰し。



「したっけ、今日はここまで」



そんなことを考えていると授業がキリのいい所で終わり、挨拶をすると少し早い昼休みへと入った。

その途端に教室は騒がしくなり、給食の準備に取り掛かる。

俺は机をくっつけ、給食当番が給食を配膳するのを待った。

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