【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
「りゅーちゃん??どうしたんですか??」
俺の視線に気付いたのか、不思議そうに俺を見つめていた。
「ど、どうもしないよ」
急に振り返られてかなり焦った。
正直今が夜で良かったと思う。
朝とか昼とか、そんな明るかったら俺が緊張してるのも、焦っているのもバレバレだ。
俺はいつも通りを装い、ポケットに手を突っ込んだ。
コツン──
その時、ポケットに入れていた携帯に手が当たった。
そう言えば...まだ聞いてない。
この状況に舞い上がっててスッカリ忘れていた。
「...あ、あのさっ!」
いざ聞くとなると、変にドキドキして声が大きくなってしまった。
そんなことに恥ずかしく感じ、口元を隠しながらも次の言葉を探した。
「ん??」
そんな俺とは正反対のように落ち着いている未菜。
「えっと...あの......俺、携帯、買ったんです」
うわ......自分でも引くレベルの片言...
しかもなにこの言葉!!
買ったんです。なんて言われたって、それが?で終わりだろ!!!