【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
春──
それは出会いと別れの季節。
卒業。入学。転校。
それぞれが、様々な理由で出会いと別れを繰り返す。
「瑠星!瑠星!」
2、3年はクラス替えもなく今年も翼と同じクラス。
そんな翼が俺の名前を連呼していた。
「なにさ??」
「いや、だーかーらー。ほら」
翼は教室のドアの方を指さした。
そこには先輩達にオドオドしながらも、立っている未菜の姿。
「なしたんだろ...?」
わざわざ昼休みに俺のクラスに来るとか...
「未菜」
名前を呼ぶと、俺の顔を見て未菜はいつもの笑顔に戻った。
さっきまでは下を向いてたのに...可愛すぎだろ!
って、そうじゃなくて...
「...なしたの??」
用件を聞くと、未菜は顔を赤く染めた。
「あ、あのね!今日さ、部活ないしさ...」
「うん」
「その......一緒に帰ろう...??」
「えっ...う、うん!!!」