【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
少し肌寒いぐらいの5月。
前々からGWに俺、翼、未菜、千沙ちゃんの4人でテーマパークに行こうと予定を立てていた。
今じゃすっかり翼も千沙ちゃんと打ち解けて、部活が無い日などは4人で帰ることもしばしばあった。
そして今日。
待ちに待った計画実行日。
俺達4人は比較的家が近く、近所の駅前で待ち合せ。
待ち合わせ時間の1時間前に目覚め、俺はまだ重たい目をこすりながらベッドから出た。
なに着てこう...
いくら4人で遊ぶとはいえ、未菜と遠出することは珍しい。
普段は制服だったり、部活のジャージだったりが多いものの、こんな時ばかりはしっかり決めて行きたいのが本音。
まあ、まだ時間はあるしのんびり考えよう。
俺は1階へ行くと顔を洗い朝食を頬張った。
ピンポーン──
その時、リビングにインターホンのチャイムが鳴り響いた。
「誰かしら?」
母さんはエプロンで手を拭くと玄関へと向かった。
そして、すぐにリビングの扉が開けられ俺は状況が呑み込めなかった。