雨と君と
何か話したくて、頭の中で必死に考える。
えっと…えっと…
でも、何も思いつかない。
バスを降りた後ならいつもあれを聞けばよかった…とか後悔するくせに、こうゆう時に限って思いつかないのが私。
頑張って色々考えてると、横から「ふっーーー」と聞こえてきた。
ん?何だ?
不思議に思い横を見ると、奏多くんが肩をふるわせて笑いをこらえていた。
え…何でこんな笑ってんだろ。
「ど、どうしたの?」
私の顔を見た奏多くんは、さっきよりも肩をふるわせて笑った。
えーーー!何で!?
私の顔になんかついてるのかな?
心配になってきて奏多くんに「私の顔になんかついてる!?」と聞いてみても、奏多くんはずっと笑ってて…
「もぉ!さっきから何で笑ってるの!?」
ちょっと怒りながら聞くとやっとで笑うのをやめてくれた。
「ごめんごめん。真央がずっと難しい顔してたから…」
「…そこまで笑わなくてもいいじゃん」
「真央が可愛いくて笑ってしまった」
冗談で言ってるのは分かってるけど、それでも嬉しさと恥ずかしさで顔が赤くなってしまう。
奏多くんに可愛いなんて言われたら…仕方ないよね?
それから少し経つとバスが来て、バスに乗るとやっぱり奏多くんは友達のとこへ行ってしまった。
好きな子いるかとか……聞けばよかった。