Returns *リターンズ*
「そんなに急いで、用事でもあるのか?」
急に後ろから声を掛けられ、
思わず足を止めて振り返った。
そこには、
リュックを背負ったまりちゃんがいた。
まりちゃんと顔合わせてるのが恥ずかしいから
先に帰ったのに!!
「なんでいるの?」
「え?帰ろうと思って。」
あー、もう調子狂うな。
一緒に帰るのも、初めてな訳じゃないんだけど。
自分の気持ちを認めてしまった以上、
正面からまりちゃんの顔を見る事ができない。
「明日から冬休みだな。」
冬休み…。風香ちゃんと約束をした冬休み。
「せっかく計画立てたんだし、行くか?二人で」
え?まりちゃんが。
一緒に行ってくれるの?