Returns *リターンズ*

待っている間、ずっとずっと

まりちゃんの事を想っていた。



時間なんて気にならなかったし、

まりちゃんを想うだけで、

胸の奥からジンジン温まってくるのが分かる。



………………………………


…………………………


…………………



駅前の時計は、

もうすぐ9時になろうとしていた。




まりちゃんに振り向いてもらおうなんて、

無理な話だったんだ。



7年前と違う行動を起こす事は

間違いだったんだ。



……私じゃ、だめなんだ。





そして時計は10時を回った。








まりちゃんが来る事は、……なかった。






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