Returns *リターンズ*
冬休みに入って、数日がたった。
なんだか色味のない毎日を過ごしてきたけれど、
夜になると夢の中にまりちゃんが現れて、
ずっと私を呼んでいるんだ。
まりちゃん、
そんなんじゃ、余計に諦められないよ。
ある日、ふと思い立って家を出た。
もしかしたら、まりちゃんは
日にちを間違えていたのかもしれない。
今日行けば会えるかもしれない。
そんな事を考えていた。
どこまでいっても
まりちゃんを想っちゃうんだな。
この前来てくれない事で、
まりちゃんの気持ちは分かったはずなのに。
それなのに……。
目の前が涙で歪む。
こぼれ落ちないように、きつく目をつぶる。
あれ?なんだか、足の力が抜けていく。
「ちょっと!あなた!!大丈夫?」
「きゃっっ、倒れてるっ!」
そのまま、真っ暗闇に放り込まれた。