Returns *リターンズ*
そして、現在へ

「…ん……んん………」



真っ暗だった世界に、少しずつ光が

射し込んでくる。



「はるっっ!!分かる?はる!!」

「……え?お母さん…。……あれ?」



驚いた顔をしたお母さんが、視界に入った。



私……、何してるんだろう。



確か、まりちゃんに会えるかと思って

家を飛び出して…。



それから……。



「よかった、はるぅぅ。あんた3ヶ月以上も
意識戻らなかったんだからね!!お母さんが
どれだけ心配したと思って……。あ、なる。
お父さんに電話して。今すぐ!!」



3ヶ月……?



長い間、目を閉じていたからか、

まだうまく焦点が合わない。



え……、窓際のところにいるのは…



「…まり…ちゃん?」



ここからだと逆光で余計にうまく見えない。



でも、学ラン姿で肩にリュックをかけていて…



「まりちゃん…」






< 116 / 130 >

この作品をシェア

pagetop