Returns *リターンズ*
まりちゃんは、左手で私を抱きしめたまま、
右手で優しく頭をぽんぽんしてくれた。
「まりちゃん、ちょっと変わったね。」
「おい、ふけたって言いたいのか?」
「違う違う!!いい意味で、大人の男性になって
るっていうか…。高校の時と髪型もちょっと
違うし。」
24歳のまりちゃんも、
相変わらずカッコよかった。
「藤倉、お前は変わんねーな。
色気も…んー、なさそうだしな。」
むっかー!!色気も多少は…なくもないのに。
「藤倉は、17歳の頃と変わらずかわいいよ。」
ボッ……!!
なっ、なんでそんな事さらっと言っちゃうのよ!
体中の血液が顔に集中して、一気に熱を帯びる。
「ちょっ…そういう事、
言われ慣れてないんだから!!」
「俺は、自分に素直に行動してるだけだよ。
会いたいからここにいるし、
かわいいと思うからそう言った。」
まりちゃんの言葉に、
もう頭が爆発してしまいそうだった。
「藤倉、あの時は待たせて悪かった。」