Returns *リターンズ*
あの時──…、
私が告白して、待っていたあの日。
「あの日、昼から駅前に行くつもりで
家を出たんだ。」
え…まりちゃん、
待ち合わせ場所に向かっていたの?
「家を出て、大通りを渡ろうとした時に、
信号無視の車が向かってきてさ。」
でも、車に轢かれた覚えはないけど、
目の前が真っ暗になったらしい。
「で、次に気付いた時には24歳の俺で、
ここの病院のベットでさ。」
じゃあまりちゃんは、私が嫌で待ち合わせに
来なかったんじゃなかったんだ。
止まった涙が、また溢れ出す。
「まりちゃんは、私の事なんて想ってないから
来ないんだと思ってた…。」