Returns *リターンズ*
ガタガタガタッッ……
《こらっ!押すんじゃないの!
バレちゃうでしょ!!》
ドアの方で物音とヒソヒソ声が聞こえ、私と
まりちゃんはパッと離れてそちらに注目した。
あの声は…お母さん?
「お母さん!聞こえてる!!」
「ほら〜、なるが押すからバレちゃったじゃ
ないの。西川君、いつもありがとうね。はるも
ちゃんとお礼言いなさいよ!!西川君も1週間位
前に意識が戻ったばっかりなのに、それから
毎日はるの病室来てくれていたんだからね。」
え、そうだったの?
まりちゃんと会えなくなったあの日から、
夢の中で私の名前を呼び続けていたのは、
本当のまりちゃんだったの?
「…まりちゃん、ありがとう。
ほんとにありがとう。」