Returns *リターンズ*

「もー、まじどうしていいか分からん…」



彼はその場に座り込み、頭を抱えている。



私は自分と同じ境遇の人が見つかり、

その事を包み隠さず話せる相手ができて

嬉しかった。


頭抱えて悩んだって、のたうち回ったって、

7年前に来てしまった事には変わりない。



なんとかやっていかなくちゃ。



「私、藤倉はる。この時代では2年E組。
よろしくね。」

「…おう」



私以上に落ち込んでいるようだ。



「西川君は?何組?」

「…2年A組」

「あっ、じゃあ花の兄さんと一緒じゃん。
分かる?宮本仁君。」

「…おう、仁はツレだから。」

「なんだそうなんだー!!同じ境遇の人が同じ
学年で心強いよ。何でこんな事になっちゃったか
は分からないけど、何か理由があるはず。
焦らずそれを探そうよ。」

「…おう、そうだな。」



あ、


…忘れてたけど、そういえば、

クラスの友達の輪から、いきなり


『やっと見つけた』


なんて言われて連れ去られた日にゃ、

そこにいたほぼ全員が告白だと

思っちゃってるだろうね。



私自身が一番、そうなんじゃないか…

って勘違いしてたんだからさ。

う〜っっ、恥ずかし〜っっ!!


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