Returns *リターンズ*
「はる、仁のとこ行くからA組付き合ってー」
「え〜、坂元君に会うためでしょ?」
「やめてよ、もーっっ!!」
仁君から借りた辞書を持ってA組へ。
A組は特進科。頭のいい人が集まったクラス。
クラス全員が男子だし、A組とE組の教室は
離れているので、用事がない限り
近づく事もない。
そんなクラスに想い人がいて、
しかも自分の兄もいるなんて、
花にとってはこれ以上好都合な事は
ないんだろうな。
A組の教室の外では、数人の女子たちが
中の様子を伺っている。
「おー、花。辞書もってきたかー。」
きちんとした理由がある花は、
堂々とA組の教室の中へ。
仁君の横には西川君。
そういや、つれだって言ってたもんな。
西川君がこっちを見たので、
よっ!と手を上げる。