Returns *リターンズ*
「おばあちゃん!!」
「はるちゃんか、
どーしたどーした、そんな泣き顔して。」
…おばあちゃん、おばあちゃん…
「ごめんね、入院したのにあんまりお見舞いに
来れなくて。私、毎日来るから。
用事ない時には毎日来るからね。」
…自分の涙なのに、止める事もできない。
ただ、ただ、溢れ出す。
「はるちゃん、ありがとう。会いに来てくれて
ありがとう。ほれ、お友達がまってるから
そろそろ行きなさい。」
病室の扉から、
まりちゃんが心配そうに顔を出している。
おばあちゃんの視線に気づいたまりちゃんは、
ぺこりと頭を下げた。
「また来るからね、おばあちゃん。
明日も来るからね。」
おばあちゃんに別れをつげ、
まりちゃんとまたバスに乗った。
帰りは乗客もいなくて、2人座る事ができた。