Returns *リターンズ*

「う〜、さむ〜」


ん?



渡り廊下の下の、体育館へと続く並木道の所に

男女が立っている。



あの見覚えのある姿…。



…まりちゃんじゃないか。



「にっ西川くん!!あのっっ…」



え!?まりちゃん、もしかして告白されてる?



女の子はちょうど背を向けているので、

どんな子なのか分からない。



まりちゃんは、告白に慣れていないのか、

困っているのか、はたまた照れているのか、

左手を首の後ろにあてている。



あ、


そんなまりちゃんと目が合った。


はっと一瞬驚いた顔をしたけど、

バツが悪そうに目をそらした。


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