Returns *リターンズ*

まりちゃんはというと、頬杖をついて

コーヒーなんぞ飲んでいる。



「本当に買わなくてよかったの?ドーナツ。
ひとくちあげようか?ほれ。」

「甘いものそんなに好きじゃないし。」



ふ──ん、そうなんだ。



「まりちゃんはさ、なんでこの時代に来ちゃった
んだろうね。私はここのとこどん底生活が
続いててね。楽しかった高校時代に戻りたい〜
ってしょっちゅう思ってたからさ。
まりちゃんも、高校時代に思い入れあるの?」

「…あったといえば」



じーっと考え込んでる。



「まああの時、藤倉を助けようとしてたから、
藤倉の強い執念に引っ張られちまったんだろう

巻き添え?みたいな。」



巻き添えか…。そう考えると申し訳なく

思っちゃうけど、やっぱり全てをさらけ出して

話し合える人がいて本当によかった。




「いよいよ明日最終回だねっっ!」



通路を挟んだ、反対側に座る女子高生たちが

盛り上がっている。



「もー気になる!!あの人が犯人じゃないなら
一体誰なの?全然想像つかない〜!!」



どうも、話題のドラマで盛り上がってるようだ。


話の内容から、何のドラマかすぐに分かった。


当時すごく話題になったものだった。



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