Returns *リターンズ*

「ほら、やっぱり!私の言った通りでしょ!」

「はるちゃん、すごいーっっ!!」



あの日から私は、風香ちゃんとたまに会って

遊ぶようになった。



元々、おうちの家事全般をこなしている

風香ちゃんだから、そんなに頻繁に会う事は

出来ないけど、お互い学校の終業時間が

少しだけ早い水曜に、ほんの少しだけ会って

話したり、お茶したりしていた。



今は、大晦日にやる歌番組の司会の話で

大盛り上がり!!



私は、誰が司会だったかもう知ってるんだけど

先週会った時いかにも『私の予想では…』

なんて言いながら、ズバリ言い当てた。


今朝、司会者の発表があったばかりだ。



「ねぇ、冬休み中に時間取れたら、どこか
遊びに行かない?おうちの事で忙しいかな?」

「ううん、そんなに長い時間じゃなきゃ
大丈夫!!どこがいいかな〜。」



久々に会った時よりは、随分顔色も良くなって

きたし、笑顔も引きつらなくなった気がする。



自殺を思い止まってくれただけでも嬉しいけど

笑顔も増えてきて本当に嬉しい。



遠出するような時間も取れないし、

どこに行こうか…。


お金もかけたくないから、

何か楽しめる事考えなきゃ!!



「また来週会うまでに、お互い考えとこうよ」



わ〜、また楽しみが増えちゃったな!!


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