Returns *リターンズ*

じ───っとまりちゃんに視線を送っていると

パッと目が合った。



そのまま人差し指をクイックイッと動かすと、

意味が分かったようで、まりちゃんも

教室に入ってきた。



「女子じゃないんだから、そんなとこで待って
ないで一緒に入って来ればいーのに。」



A組にはいない女子が多いせいか、

まりちゃんは居心地悪そうな顔をしながら、

私の横の席に腰を下ろした。



『はるって西川君と仲いいんだー。』

『宮本君も素敵だよね〜!!』



女子たちの黄色い歓声が止まらない。



「まりちゃんさ、冬休み遊びに行くなら
どんなとこがいいと思う?」


『『……………っっ!!』』



ん?



一瞬で周りの空気が変わった…ような…?



「そーだな、午前はゆっくりして、午後から
出掛けて、夜は車で…」

「ちょっ!!それは24歳のまりちゃんならで
しょ!健全な高校生が夜、車でなんて…!!」



まりちゃんと2人、ばっと身を縮め

コソコソ話し始めた。



夜は車で…なんて、何言ってんのさっ!


24歳のまりちゃん発言が周りに

聞かれないように身を縮めてたんだけど、


あれ?空気がさっきのまんま…。



もしかして聞こえちゃってて、

違和感ありありの会話に気付かれた…?



正体バレちゃった!?


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