Returns *リターンズ*
「姉ちゃん、ゲームやろー。」
ノックもせずに、弟のなるが入ってきた。
この時代のなるは小学4年生。
まだ背もちっちゃくて、声も高い。
本来のなるは高2で、最近オシャレに
目覚めたらしくチャラくてたまらない。
背も私をはるかに越して大きくなったし、
声も野太くなった。
私の事もいつの間にか呼び捨てにしてるし。
だからこそ、この4年のなるが
余計にかわいくてたまらない。
「おー、やろうやろう!!」
「俺さー、サンタさんにDS iもらおうと
思ってんだよねー。」
DS iね、懐かしいわ。
「なんてったってカメラが付いてんだよっ!!
くそーっ、オシャレすぎるぜ!!」
『俺』なんて言うくせに、サンタさんは
まだ信じてるなんて、たまらんわ。
そしてDS iにこの感動…。
数年後、3DSの画面見た時にゃ、この子
ぶっ倒れるんじゃないかしら…。
「そーか、そーか。もらえるといーねー。」
言う事が可愛すぎて、頭をわしゃわしゃした。
「じゃあ、これ通信でやろー!」
「姉ちゃんに勝とうだなんて
10年早いんだからね!」
「いけ────!!」
「姉ちゃんずるいぞー!」
私となるは大騒ぎしながら、
しばらく対戦ゲームで遊んでいた。