Returns *リターンズ*
「じゃ、花また明日ねー!」
専門委員の打ち合わせがある花と別れて、
一人昇降口へ。
もう季節は12月。
雪は降らないまでも風は切るように冷たく、
足の芯から冷え切ってくる。
冬休みまであと少し。
私とまりちゃんがここの時代に来て、
三ヶ月目に入ろうとしていた。
いつまで今のままなのか…。
もしかして一生このまま行っちゃうの?
うーん…人より7年余分に生きれると
思えばいいのか。
マフラーをぐるぐる巻きにし、
意を決して外へ出た。
ブブブブ───ッ、ブブブブ───ッ
ブレザーのポケットに入れておいた携帯が、
振動でかすかに動いている。
こんな時間に誰だろ?
ポケットに手を突っ込み携帯を取り出すけれど
画面に写し出された番号は、
未登録の見覚えのないものだった。
えー、誰?
知らない人からの着信には出たくないなぁ…。
悩む事数秒…。
でも、もしかしたら
大事な電話かもしれないし…。
ピッ
「はい。」
誰だか分からないので、それだけで様子を見た。