Returns *リターンズ*

そうか。これは夢だ。



きっとで悪い夢を見てるんだ。


早く目覚めよう。


そしたら全てが夢となって、

またいつもと変わらない生活に戻れる。



「…藤倉、気付いたか。」



固く閉ざされていたまぶたをそっと開けると、

かすかな消毒の匂いと、私の顔を覗き込む

まりちゃんの姿があった。



「え…何。どこ…?なんで…」



悪夢から目覚める事が出来たのか。



「昇降口から出たところでうずくまってて、
そのまま意識なくした。だから保健室連れて
きたけど、どこか怪我してないか?」



あぁ…そうか、そうだったんだ。



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