Returns *リターンズ*
私の想い
「はる、何ボーッとしてんの?」
花に声を掛けられ、ハッと我にかえる。
「手になんかついてるの?どっかケガした?」
あれ以来私は、手のひらをじ──っと見る
クセがついてしまった。
あの日、一日中繋がれたままだった左手を。
特に意識してるわけではないけど、
気付くと手のひらを見つめている。
「どーしちゃったの、はる。明日から冬休みだよ
今年は家族で予定を合わせて、おじいちゃんちに
行く事にしたんだー!!って事で、今年最後の
坂元君を見にA組行くよっっ!」
A組かぁ。まりちゃんいるんだよなぁ。
「いやぁ、私待ってるから、
花一人で行って来なよ。」
「なんでよ、はいっ行くよ!」
なんとなく、まりちゃんに会うのが
気恥ずかしいんだけどな。
花に引っ張られるがままに、A組の前まで来た。