Returns *リターンズ*
「まりちゃんて、笑うんだね。
クラスの子たちが、まりちゃんの笑顔は貴重だ
って言ってたよ。キャーキャー言ってた。」
「そりゃ、俺だって笑うよ。楽しきゃね。
藤倉〜、お前も笑えよ〜。」
まりちゃんが、両手で私の頬をつかみ、
うに〜っと引っ張る。
「うぉっ、こ…こらっっ!!なにすんのよ!」
身体中の血液が、一気に顔に集まったようで、
一瞬にして熱をおびる。
「藤倉、顔まっか。」
こら───っっ!!まり───っっ!!
そんな事言ったら、余計に熱が上がる
じゃんかよー!!
「帰るっっ!!」
とにかくもう、この場所にはいられず、
教室を後にした。
急ぎ足で廊下を歩いている最中、まりちゃんに
ひっぱられ、まだ熱を持った頬に手をあてる。
おいおいしっかりしろ、私。