オフィス・ラブ #∞【SS集】
貴志は机の足元から、最近やたら買ってくるようになった車雑誌を引っぱり出して読みはじめた。
もう。
そう言われちゃ、これ以上わがまま言えないじゃないか。
「明日からそうするから。今日はそれ、ちょうだい」
始めからそのつもりなのと、いきなりダメと言われるのとでは、かなり違う。
それはわかってくれてもいいはずだと、貴志の口元の煙草を指して甘えてみると。
ちょっと顔をしかめて、それでも何も言わず、私の口にくわえさせてくれた。
自分で買うようになったら、私はもう少し軽くて、いい匂いのやつがいいなあ。
パッケージも、もっと女らしいのを持ち歩きたい。
確かに、これにハマる人が多いのもわかる気がする。
一瞬で自分だけの時間と空間をつくり出す、不思議な小さな紙の筒。
それでも私は、貴志ほどには四六時中吸っていたいとは、まだ思わないから、そこまで中毒にはなってない。
でも、味は好きだ。
女が煙草吸うのって、見た目あまり美しくないから、嫌なんだけど。
でもまあ、気に入ってしまったものは、仕方ない。
きっと私たちには、愛煙家の血が流れているのだ。
もう。
そう言われちゃ、これ以上わがまま言えないじゃないか。
「明日からそうするから。今日はそれ、ちょうだい」
始めからそのつもりなのと、いきなりダメと言われるのとでは、かなり違う。
それはわかってくれてもいいはずだと、貴志の口元の煙草を指して甘えてみると。
ちょっと顔をしかめて、それでも何も言わず、私の口にくわえさせてくれた。
自分で買うようになったら、私はもう少し軽くて、いい匂いのやつがいいなあ。
パッケージも、もっと女らしいのを持ち歩きたい。
確かに、これにハマる人が多いのもわかる気がする。
一瞬で自分だけの時間と空間をつくり出す、不思議な小さな紙の筒。
それでも私は、貴志ほどには四六時中吸っていたいとは、まだ思わないから、そこまで中毒にはなってない。
でも、味は好きだ。
女が煙草吸うのって、見た目あまり美しくないから、嫌なんだけど。
でもまあ、気に入ってしまったものは、仕方ない。
きっと私たちには、愛煙家の血が流れているのだ。