オフィス・ラブ #∞【SS集】
関係者全員がそろい、営業さんと三ツ谷さんが報告書の内容を説明しはじめる。
私はそれを遠くに聞きながら、思考にふけっていた。
つまり向こうは、うまくいきそうにないわけだ。
彼の、これまでの言動から察するに、その彼女というのは、さぞ可愛らしく女性らしい人なんだろう。
私と違って。
けど、うまくいきそうにないわけだ。
ねえ、比央麗。
たまには、いろいろなもの捨てて、頑張ってみたら。
はめられた型に、自らおさまって楽してないで、こんな時くらい、ほしいものに手を伸ばしてみたら。
最後に勇気を出したのは、いつだった?
何がそんなに、ためらわせるの。
見栄? 羞恥? 自尊心?
捨てたら彼に、もっと近づけるのかもしれないんだよ。
それを考えたら。
そんなもの、なんだっていうのよ?
「あれっ、真野ちゃん、可愛い」
新庄さんが、出社するなり私の髪を綺麗な指でさらりとすくった。
「雰囲気がぐっと柔らかくなるね。髪も綺麗だから、すっごくいい」
「ありがとうございます」
素直にお礼を言うと、彼女がにこりと笑む。
私はそれを遠くに聞きながら、思考にふけっていた。
つまり向こうは、うまくいきそうにないわけだ。
彼の、これまでの言動から察するに、その彼女というのは、さぞ可愛らしく女性らしい人なんだろう。
私と違って。
けど、うまくいきそうにないわけだ。
ねえ、比央麗。
たまには、いろいろなもの捨てて、頑張ってみたら。
はめられた型に、自らおさまって楽してないで、こんな時くらい、ほしいものに手を伸ばしてみたら。
最後に勇気を出したのは、いつだった?
何がそんなに、ためらわせるの。
見栄? 羞恥? 自尊心?
捨てたら彼に、もっと近づけるのかもしれないんだよ。
それを考えたら。
そんなもの、なんだっていうのよ?
「あれっ、真野ちゃん、可愛い」
新庄さんが、出社するなり私の髪を綺麗な指でさらりとすくった。
「雰囲気がぐっと柔らかくなるね。髪も綺麗だから、すっごくいい」
「ありがとうございます」
素直にお礼を言うと、彼女がにこりと笑む。