オフィス・ラブ #∞【SS集】
だけど、よく考えてみたら。
そもそも俺が、携帯の充電を忘れたのが、すべての原因な気もして。
そのせいで、恵利があんなに泣いたんだとしたら、すごく可哀想で、申し訳ないと思って。
引っ越し前に、どうしても、大丈夫か知っておきたくなって、メールをした。
なんでか、その日のうちに返信がなくて、もしかしたらって嫌な想像もしてたんだけど。
翌日、ぽろっと届いた。
『大丈夫、ありがと』
そっか、大丈夫か。
あのおっかない人と、うまくいったってことかな。
なんにせよ、よかった。
俺は、もう恵利の幸せには、きっと関係ないんだけど。
恵利には、ずっと幸せでいてほしいって、思ってる。
恵利は、笑った顔が一番可愛いから。
あの人に、いっぱい笑わせてもらうといいよ。
恵利のその、気持ちのいい声を、きっとあの人も好きに決まってるから。
たくさん名前を、呼んであげるといいよ。
バイバイ。
Fin.
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thanks : りかりん様