オフィス・ラブ #∞【SS集】
新庄さんは、満足げに笑うと、意地悪く眉を上げてみせる。
「最初の人より、最後の人なんだろ?」
「もうやめてください…」
涙が浮かんでいるのを意識しながら、私が悪かったです、と弱々しく非を認めると、その顔がふと優しく微笑んだ。
「俺だって、そうだ」
わかってます。
だけど悔しくて、うらやましくて、仕方ないの。
私がどうやってももう知りえない、昔の新庄さんを知ってる人が。
私、自分を焼きもちやきだなんて、思ったことないけれど。
もしかして、これがそうなのかな。
新庄さんも、同じ?
ドアを閉めてもカーテンを閉めても、どうやってもやっぱり明るい部屋で、帰るなり抱きあって。
こんな時間から、同じようなことをしてる人たちが、世の中にどのくらいいるんだろうと、くだらないことを考えた。
熱い身体の重みを、全身で感じながら、昼の不仲ぶりを思い出して、おかしさがこみあげる。
「さっきの、スカイラインさ」
「はい」
「夜景も綺麗らしいんだ」
終わったら、行こうぜ、と言って私を抱きしめる新庄さんに、笑った。
「終わったら、ですか」
ほんと、ムードがない。
指摘されて、初めて気がついたらしい彼は、少し声を上げて笑って。
「一緒にいる時間は、有効に使わないとだろ」
しれっとそう言って、私の鎖骨にキスをくれる。
笑いながら、汗ばんできた髪に指を通して、お返しに私も、耳のあたりにキスをした。
くすぐったそうにすくめる肩に、ささやく。
「新庄さんに、言われたくない」
Fin.
──────────
thanks : つきね様/夏姫愛様/sora様/ユキ様/もり様/どん様
「最初の人より、最後の人なんだろ?」
「もうやめてください…」
涙が浮かんでいるのを意識しながら、私が悪かったです、と弱々しく非を認めると、その顔がふと優しく微笑んだ。
「俺だって、そうだ」
わかってます。
だけど悔しくて、うらやましくて、仕方ないの。
私がどうやってももう知りえない、昔の新庄さんを知ってる人が。
私、自分を焼きもちやきだなんて、思ったことないけれど。
もしかして、これがそうなのかな。
新庄さんも、同じ?
ドアを閉めてもカーテンを閉めても、どうやってもやっぱり明るい部屋で、帰るなり抱きあって。
こんな時間から、同じようなことをしてる人たちが、世の中にどのくらいいるんだろうと、くだらないことを考えた。
熱い身体の重みを、全身で感じながら、昼の不仲ぶりを思い出して、おかしさがこみあげる。
「さっきの、スカイラインさ」
「はい」
「夜景も綺麗らしいんだ」
終わったら、行こうぜ、と言って私を抱きしめる新庄さんに、笑った。
「終わったら、ですか」
ほんと、ムードがない。
指摘されて、初めて気がついたらしい彼は、少し声を上げて笑って。
「一緒にいる時間は、有効に使わないとだろ」
しれっとそう言って、私の鎖骨にキスをくれる。
笑いながら、汗ばんできた髪に指を通して、お返しに私も、耳のあたりにキスをした。
くすぐったそうにすくめる肩に、ささやく。
「新庄さんに、言われたくない」
Fin.
──────────
thanks : つきね様/夏姫愛様/sora様/ユキ様/もり様/どん様