嘘と本音と建前と。
「そろそろ始めないと危ないものね。わかった。私、監督の元だったらこの人達がいれば間に合うでしょう。完成までの予想日数と提出日は?」


まさかの回答に司は頬がひきつる。


「予想は六日、提出は九月十日。誤差四日はないだろうから余裕だと思う。」


なんとか真面目なモードに切り替え、冷静な声で伝えきった。


ちらりと司は空知の方を見ると、司の感情をそのまま彫ったような顔をしていた。


これには流石の司もお手上げだった。


「時間ないんでしょ。早く行くわよ。」


いつの間にか田中は司の方を向いていなかった。


もう不良共を立たせ、横断幕の準備を開始した。


なるほど、これなら予想を遥かに上回る速度で終わりそうだと司は思ったが口には出さない。
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