嘘と本音と建前と。
「嘘やん。」


香織は目を疑ってしまった。


司の定期券には自分の定期券のひとつ次の駅名が書かれていた。


驚いた表情している司にスクールバックにぶら下がっている定期券入れを

開いて見せた。


「はよ帰りましょか。」


香織は苦笑する。


「そうだな。」


司も苦笑しながら歩き出した。


自転車を学校の最寄り駅にある駐輪場に留め、香織と司は地下鉄道に

乗車した。


ここから約45分間は乗り換えも含め電車に揺られることになる。


香織の学年に同じ中学校を卒業した人はいなかった。


「1時間もかかる学校によく来はりましたよね。」


終点から乗るため車両には司と香織のふたりだけだった。


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