嘘と本音と建前と。
乗り換えのしやすい方にある席に腰掛ける。


「兄ちゃんの母校なんだ。あと知ってる人がいない。

染谷さんは?」


発車のアナウンスがホームに響いた。


けたたましいと言っていいベルが鳴る。


階段から何人かの人が駆け下りてきた。


「脳みそのレベルがそれなりに釣り合うところに

行きたくてって言ったら性格悪いですか?」


ドアが駆け下りてくる人を容赦なく遮断した。


「いや、俺もそういうとこあるよ。」


前方に大きく揺さぶられた。


ゆっくりと車体が動き出した。


司は手をリュックの上に手を置き、指で遊んでいた。


「お兄さんって何大なんですか?」


司は香織の方を見た。


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