嘘と本音と建前と。
「知ってるかわからないよ?」


司が口角を上げた。


「お兄さん頭いいんですね。」


香織が驚くと司は微笑んだ。


「俺なんかよりずっとね。京都で一番頭いいとこだし。」


香織は目を見開いた。


その表情を期待していたかのように司が笑った。


「兄ちゃんが誘ってくるけど行けると思えないよね。」


司は少し残念そうな瞳をした。


「行けるか行けないかは先輩次第じゃないですか?」


ひねくれた言い方しかできないが香織なりに励ました。


根拠の無い励ましは絶対にしたくないというのが香織のポリシーだ。


「染谷さんは大学考えてるの?」


考えていない訳では無い。


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