嘘と本音と建前と。
司は咳払いをしてから真面目な顔に戻った。


「僕はか、染谷さんと本が共通の趣味なんだけど

ふたりは何かあるのかな?」


香織と呼ぼうとしたが詰まってしまったようだ。


「バレーの漫画は好きですか?」


香織は漫画を読むほうだ。


バレーをしているなら読んでいると思うがどうだろうか。


空知は首を捻った。


それからハッとした顔をして手を打った。


「読んでないけど知ってるよ。まこ...友達が読んでる。」


それでは話題が広げられない。


今度は香織が首を捻ることとなった。


空知の焦げ茶色の髪の毛が日光で照らされ半透明に輝いていた。


よく見ると左サイドだけ髪の毛がはねていない。


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