嘘と本音と建前と。
幼なじみに元があるのかはわからないが絶交をしたためそういうことに

している。


今思えば最初で最後になるかもしれない人生で初めての喧嘩は

散々なものだった。


取り返しのつかないとはこの事だと理解した出来事でもある。


久しぶりに見た幸也は元気そうだった。


幸せそうな顔をしている幸也を死ねばいいのにと思っている自分と

異常な脈拍数になっている自分とがいて困惑した。


隣に座っていた司に怪訝そうな顔をされても誤魔化すことのできない

香織は「母さんと約束がある。」と途中下車した。


会えばそのことを聞かれるに違いない。


ため息をして落ち着くと窓の外からどこかの運動部員が掛け声がした。


すっと立ち上がり窓をほんの少し開けた。


司たちの学年の体操服がちらほらいるようだ。


そしてまた昨日のことを思い出し顔が熱くなった。

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