嘘と本音と建前と。
恥ずかしさと司への怒りから背くようにそっぽを向いた。


「ぶりっ子すんなよ。」


からかうように言われ余計に頭にきた。


キッと睨みつけるとまた吹き出された。


香織が眉間に深くシワを寄せると今度は笑われてしまった。


「違うことぐらい見てたらわかるっつーの。馬鹿だなぁ。」


香織の方を向き首をコテンと窓側に倒した。


その反動で司の前髪が流れた。


そのおかげでよりはっきり見えるようになった両目の視線に

香織は耐えられなくなった。


「じゃあ言わないで下さい。」


香織は目を逸らし、慌てて反発した。


「ツンデレ?デレてないか。」


司が自分でツッコミを入れた。

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