嘘と本音と建前と。
『冷然』
今日は車両を替えて乗ろうと司は香織に提案した。
香織は肩を縮こませこくりと頷いた。
司は昨日、同じ車両にいた二人の男を思い出している。
高身長で雰囲気イケメンと中背の綺麗な顔をした男だった。
途中で乗り込んできて司と香織の斜め前のドア付近に立っていた。
最初は香織も司も気にせず話していたが二人の男を見た途端、
香織の話の切れ味が悪くなっていった。
そこで司は香織に声をかけたがその声は届いていないようだった。
しばらくして香織の存在に気付いたようで中背の方の男、
幸也は香織の顔をじっと見ていた。
友達であろう雰囲気イケメンに「どした?」と聞かれると「別に。」と
ぶっきらぼうに答えてそれっきりこちらを見ようとはしなかった。
その場に耐えられなくなったのか用事があると飛び出した香織を
司は追いかけるようなことはせずその背中を見送った。
司より長い時間、幸也は香織の背中がホームから消えるまで
じっと見ていた。
香織は肩を縮こませこくりと頷いた。
司は昨日、同じ車両にいた二人の男を思い出している。
高身長で雰囲気イケメンと中背の綺麗な顔をした男だった。
途中で乗り込んできて司と香織の斜め前のドア付近に立っていた。
最初は香織も司も気にせず話していたが二人の男を見た途端、
香織の話の切れ味が悪くなっていった。
そこで司は香織に声をかけたがその声は届いていないようだった。
しばらくして香織の存在に気付いたようで中背の方の男、
幸也は香織の顔をじっと見ていた。
友達であろう雰囲気イケメンに「どした?」と聞かれると「別に。」と
ぶっきらぼうに答えてそれっきりこちらを見ようとはしなかった。
その場に耐えられなくなったのか用事があると飛び出した香織を
司は追いかけるようなことはせずその背中を見送った。
司より長い時間、幸也は香織の背中がホームから消えるまで
じっと見ていた。