嘘と本音と建前と。
目立つ特徴がさしてないと言ってしまうと失礼かもしれないが、たった5分程しか見ていない彼女のことを説明することがどうしてできようか。


空知はさっそく行き詰まった。


「だからって足が細くてすごく白い。
黒目がちな大きな目で天使の輪があるセミロング。
スカートは一切の加工もしていなく、青のネクタイ。
そんな生徒知りませんか、と聞かれた司書さんの気持ちにもなってみろ。
もう少しうまく言えないのか、お前は。」


司は呆れの気持ちを隠そうともせず首を横にふっている。


「俺、説明下手だから藤堂が説明するのかと思ってたし」


空知は口を尖らせ、眉をハの字にした。


そんな空知を見て、司は軽いため息をついた。


「缶コーヒー本気で奢ってもらうからな。」


司に頭をコツんと殴られたところを空知は両手で抑えた。


司書の松本の元へ行き司は「人を探してるんですけど。」と切り出した。


「学年は多分二年生で身長があいつより少し低めだけど華奢な感じの子でよく図書室を利用する女の子っていますか。」


司に空知は指を指された。

「あの子より小さいかはわからないんだけど、一年生に染谷さんって子がいるわよ。人当たりがとっても良くて優しい子だけど、違うかしら?」


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