嘘と本音と建前と。
『恋敵』
冬休み明けに学校で始めにあったのは司と香織だった。
香織とは廊下で見かけると手を振り合うぐらいの仲にはなったが
大した進展はなかった。
テスト勉強を含めて5回しかまともに話していない。
空知は無性に香織の声が聞きたくなった。
それだけでいいのかと言われるとそうでない気もするが空知にとって
声を聞くだけでも大きな出来事だ。
「おはよ。」
眠たそうな顔をした司が右手を振った。
香織は無言で微笑みながら会釈をする。
空知は先に会釈を返してから駆け寄った。
「はよ。」
ポンチョのような紺色ダッフルコートを着た香織がイヤーカフを
首からかけた。
赤色のマフラーの上から圧迫しているせいか少し苦しそうだ。
司が後ろから香織のイヤーカフを抜き取ると自分の耳に当てた。
香織とは廊下で見かけると手を振り合うぐらいの仲にはなったが
大した進展はなかった。
テスト勉強を含めて5回しかまともに話していない。
空知は無性に香織の声が聞きたくなった。
それだけでいいのかと言われるとそうでない気もするが空知にとって
声を聞くだけでも大きな出来事だ。
「おはよ。」
眠たそうな顔をした司が右手を振った。
香織は無言で微笑みながら会釈をする。
空知は先に会釈を返してから駆け寄った。
「はよ。」
ポンチョのような紺色ダッフルコートを着た香織がイヤーカフを
首からかけた。
赤色のマフラーの上から圧迫しているせいか少し苦しそうだ。
司が後ろから香織のイヤーカフを抜き取ると自分の耳に当てた。