嘘と本音と建前と。
恋する乙女ならぬ、恋する乙男だ。


そんな語が存在するかは司は知らないが無いなら作ればいいか、

と変なことを考えた。


顔の少し赤い空知の顔を夕陽が照らし、さらに赤く見え



女の子のようだった。


その顔を司はじっとみつめた。


「な、なんだよ。」


空知は両手で顔を覆った。


二秒ほど固まり指の隙間から目だけを覗かせて司の顔を見た。


「何?」


「ありがとう、藤堂。」


思ってもいなかった言葉に司は返事に詰まった。


「いや、まあ...缶コーヒー代ぐらいは働かないとね。」


しれっと答えて司は自分のクラスへと向かう階段を登り始めた。


「なあ藤堂。」


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