嘘と本音と建前と。
そこにいたのは香織とその友達らしき女子だった。


「あの、フリーマーケットやってますよね?」


司は香織が演技の時、やはり声を変えていたのかと気付く。


「やってますよ。」


司は短く答え微笑むとすぐに本へと視線を落とす振りをした。


中へ入っていく二人を視線だけで追う。


空知は本当にタイミングが悪い。


視界から二人が消えたところで本を閉じ、司は香織を見た。


楽しそうに友達と笑っている。


一応空知に連絡を入れてやるか、とスマートフォンを取りに立ち上がった。


カバンの中からスマートフォンを取り出し連絡帳をタップする。


メールか電話か迷った末、電話をすることにした。


コール一回で空知が電話をとった。


「どった?」


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