嘘と本音と建前と。
空知に返されたティッシュをカバンにしまう。


「あの、もしかしてそれ...」


後ろからいきなり声をかけられ反射的に振り向く。


そこにいたのは香織ではなく、その友達だった。


視線から空知と司の服装を指していることがわかる。


思いもよらないビックチャンスに司はこれでもかと愛想を振りまいた。


「クラスの女子の趣味で着させられてんの。」


気さくに話す司に友達はキラキラとした眼差しを向ける。


「あ、あの写真撮ってもいいですか?」


まあそうなるよなと内心思いつつ、「僕らなんかでいいの?」と

司は笑ってみせた。


「もちろんです!むしろありがとうございますです。」


友達は日本語でない日本語をたじたじに話す。


「香織。」


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