嘘と本音と建前と。

『恋路』

最近の司はよくぼーっとしている。


本を読んでいることはいつも通りなのに内容を聞いても何故か

ふわっとかわされているような気がする。


空知はその度に首を捻るが司の考えは全然と言っていいほど分からない。


「あ、廉。」


空知の名前を呼びながら米倉が駆け寄ってきた。


「どした?」


米倉は一度窓の方に視線をやってからすぐに空知の方へ戻す。


「いや明日の体育祭なんだけど、福部先輩昨日足くじったじゃん。」


そういえば昨日アイシングしていたことを空知は思い出した。


「そうだったな。」


首の根付をてで抑え、米倉は間を置いた。


「お前代走走ってくんね?」


「は?」


考えるよりも先に発していた。


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