嘘と本音と建前と。
走り終わってすぐに席に戻るともう米倉は居なかった。


ついでに司も不在だったがたぶんあいつはサボりだろう。


10月のわりにまだ暑い。


今年は暖冬になるかもしれない。


バレー部仲間と話そうかとも思ったが、暑すぎるため司と一緒に

涼みたい気分だ。


そうするには司を探すところから始めなければならない。


たしか米倉も司も午前で出場する種目は終わったはずだ


「じゃあもう席に帰ってこねぇじゃん。」


わざとらしくため息をつき、空知は重たい尻を持ち上げた。


そこまで広い学校じゃないからすぐ見つけられるだろう。


それに校舎は締め切っているから場所も限られる。


「ちょっと、まっ。晴香!」


小走りで司を探していると靴箱近くの校舎裏から

聞き覚えのある声が聞こえた。


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