嘘と本音と建前と。
横を向くと首をかしげた米倉が空知を見ていた。


「あ、買う買う。俺、炭酸。」


炭酸飲料が豊富な自動販売機に立ち、どれにしようかと迷った。


司はもう選んだのだろうかとその方向を見ると腕組みをしながら

一つの自動販売機前に立っていた。


大体飲む順番がある炭酸飲料だから適当にボタンを押して、購入した。


重たい音をさせながら炭酸飲料が落ちてくる。


冷たい缶の上部だけを片手で持って、司のところへ駆け寄った。


目だけで司が空知を見た。


「決めた?」


「じゃあ、これ。」


司が指さした缶コーヒーはよくある柄のよく見る缶コーヒーだった。


缶コーヒーが出てきてから、小銭の軽い音がした。


お釣りを取り出して財布にしまい、缶コーヒーをしゃがんだ状況から

司に差し出す。


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