嘘と本音と建前と。
すべて信任の方が選挙管理委員としては楽ができる。


クラスの投票結果を集計するのはクラスの選挙管理委員だからだ。


そのままロングホームルームは終わり、司は茶封筒を持って教室を出た。


先週委員会を行った教室には既に香織が作業を始めていた。


司はそれに気を取られないよう香織とは離れた位置に座り黙々と

数を数える。


香織も司とほぼ同じタイミングで来ていたのか司の方が早く作業を終えた。


教卓の前で腕組みをし待っている先生の前に集計を終えた

茶封筒を差し出した。


クラスを告げ、司が一番に教室を出た。


今日は空知と帰る日ではない。


クラスに着くと誰とも口を聞かずにリュックを背負い司は

読み終えてた本を返却しほかの本を借りるため図書室に向かった。


階段前を過ぎたところで階段を駆け上がる足音が聞こえた。


いつもなら素通りするはずの司だが今日は何故か戻って音をさせる主を

戻って見てしまった。


< 93 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop